Case Study 導入事例

クライアントの声

サッポロビール株式会社様の場合

営業本部ワイン戦略部国産グループシニアマネージャー 松島史枝様
営業本部ワイン戦略部国産グループ課長代理 久野靖子様
ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社
戦略企画本部経営戦略部部長付シニアマネージャー 赤羽尊弘様
(プロジェクト実行当時:サッポロビール経営戦略部にて事務局をご担当)

テーマ デザイン思考に基づく新商品開発
対象 新商品開発プロジェクト

制約のある状況下で、斬新で自由な発想を求めていた

新商品開発プロジェクトが始まる前の課題と、プロジェクトへの期待を教えてください。

松島様
これまで商品開発プロジェクトは、いつも同じメンバー、同じ環境で取り組んでいました。だからなのか、なかなか斬新で自由な発想が出なかったんですね。加えて、メンバーにはルーティン業務もあり、新商品開発だけに専念できる環境ではありませんでした。
また、製造面での制約もあり、設備投資といったコストもあまりかけられない状況で、その現状を突破するような大胆な発想が出にくい環境にあったことでしょうか。
久野様
そういった環境下で、営業や製造、他事業部などの職種も年齢層も違うメンバー、ワインへの関わり方が異なるメンバーが集うことで生まれる、それぞれの意見やアイデアに期待していました。
赤羽様
組織の壁を越えて、できるだけスピーディーに問題解決できないだろうかと試行錯誤でした。こういった「スクラム開発」は、ただメンバーを集めればいいというものでもありません。今回は、会社から指名するのではなく、自ら手を挙げてやりたい人が集まりましたので、そこにも期待していました。

他の業界の知恵を率直に学びたかった

そういったやる気のあるメンバーの集まりであれば、社内だけでプロジェクトを動かすのも可能だったと思いますが、外部のファシリテーターを活用した理由を教えていただけますか。

赤羽様
メンバーの知恵を集めるのはもちろん、それにプラスして、異なる業界のさまざまな知恵も率直に学びたいと思っていました。社内だけでプロジェクトを牽引していく難しさはこれまでの経験上わかっていましたし。
小山さんは最初から「お酒飲めません」とおっしゃっていましたが、ビールやワインに詳しくない人からの関わりも必要ではないかと思いました。ある意味「賭け」とも言えますが(笑)

今までとは180度違うプロセス

実際にプロジェクトに参加されていかがでしたか?

松島様
まずプロセスに驚きました。商品開発は、まず調査を行ってその知見をもとに作り上げていくというパターンが多いと思うのですが、このプロジェクトではその段階がなく、まず夢を描くところから始まり、ある程度形を描いてから、調査をするというところが新鮮でした。本当に、お客様のニーズ、市場のニーズに応えるものになっているのか、商品として世に出せるものになるのか、不安でもありました。
でも、夢も見ながら現実的な視点も持って、最終的にアンケートもとり消費者の心に刺さるものになりました。このプロセスが今までとは180度違いましたね。早い段階からデザイナーさんを入れてくださったことも、驚きました。
こういったプロセスを踏んだことで、普段考えているものとは違うアイデアが出たのだと思います。
プロジェクト発足前に何名かのコンサルタントにお会いしましたが、ゴールを最初から決めている先生が多い中、小山さんはまったくそうではなかったですよね。やりながら決めていく分、事務局側の打合せも多く、そういう意味では大変でしたが。でも、私もとても楽しかったです。

グループ企業挙げてのスクラム開発。驚きのスピードと商品数。

松島様
ワインのアイスクリームも斬新でした。社内投票では1位になった商品です。最終的にシャーベットとして、今も『銀座ライオン』のお店で提供しています。
これは、関連会社のブルーシールの協力を受け、試作品をいくつも作ってもらいました。
赤羽様
そういう意味では、今回のプロジェクトはビール社内だけにとどまらず、サッポログループ挙げての「スクラ ム開発」と言えますね。
試作品もいろんな種類のものが出来ましたし、とにかく非常にスピーディーでした。社内プレゼン直前に決まったアイデアもあったくらいです。
期限がある中、方向性を確認しながら進めていくのは小山さんも大変だったと思いますが、メンバーの納得感は高かったですよね。プロトタイプを最初から作っていくことで、プロジェクトの進行が「見える化」された。これも加速要因になったと思いますし、いままでにないやり方で非常に参考になりました。
久野様
それぞれの専門分野のメンバーがいたからこそ、スピードアップできたとも言えますよね。アイデアが出て、次に集まるときにはもう試作品ができていましたから。
それに、改めて、縛られている既成概念があることに気づきました。例えば「アルコールに酢を入れる」なんてことは、これまでの私の常識ではありえませんでした。この発想は、営業担当から出たものですが、製造の人間ばかりだとこうはいきません。
赤羽様
このプロジェクトで生まれた商品は3つありましたが、他の「スクラム開発」に比べると、驚きの確率で商品が生まれました。これまでは、どんなに頑張っても最後の最後で商品にはならない、ということもありました。商品を出すタイミングが合わない場合もあります。そう考えると、3つの新商品が出せたことは、非常に確率が高かったと言えます。

一緒に作り上げていく、という関わり方がありがたかった

試作品をたくさん作るというのは、目的のひとつでした。たくさん具体的なアイデアが出たからこそ新商品が3つ生まれたのですが、まとめるチームリーダーは大変でしたね。

赤羽様
メンバー全員が「作りたい」という強い思いを持っていましたので、最終的にリリースする3つを選ぶときは本当に大変でした。思い入れが強すぎてなかなか納得してもらえず苦労しました。
そういうとき、小山さんは理論的に、でも温かく聞いていただいて、うまくファシリテートしてくださった。あれは社内の人間では難しいですね。
久野様
私たち事務局側にも思い入れがあり、あのときの試作品は全部保管してあります。今後の商品開発のヒントにもなると思っています。
赤羽様
小山さんには、準備も含めて1年弱、お付き合いいただきましたが、どう作っていくかという段取りを、進捗具合を見ながら綿密に進めていただけたと思っています。顔を突き合わせて一緒に作り上げた、というところに感謝しています。

みなさんもお互いにアドバイスしあい、チーム間の協力も素晴らしかったです。切磋琢磨し、協力しあうあの雰囲気がよかったですね。

赤羽様
確かに、チームが違っていても、同じゴールに向かって進んでいくという雰囲気がありましたね。ライバル心もあり、協力もしあい、刺激しあっていました。思い出すと、本当に楽しかったです。
プロジェクトが始まってすぐに、東日本大震災が起こりました。仙台のメンバーもいましたし、社内もそれどころじゃない、という雰囲気で、もうこのプロジェクトは続けられないのかと思いました。でも、あのとき小山さんが「今、やれることをやりましょう」と言ってくださった。それで我々も続けようと思えた。当初の予定通りではありませんでしたが、東北のメンバーも大変さを乗り越えてよく頑張ってくれた。あれは試練でしたが、でもやめなくて本当に良かったです。そういう意味でも思い出深いプロジェクトです。
久野様
個別指導もしていただきました。あれがなかったら、やり遂げられなかったかもしれない(笑)。
松島様
最終的に、3つの商品を世に出したという結果まで辿りつけました。小山さんの関わり方とその内容に感謝しています。

プレゼンがうまくいった理由

赤羽様
内容もそうですが、「プレゼンがすごく良かった」と当時の社長はじめ役員が珍しいくらいに褒めていました。稀にみるレベルの高さでした。
松島様
あれは、事前に示してくれた小山さんのプレゼンが素晴らしかったからですよ。小山さんのプレゼンを見て、「自分たちもあんなふうにやりたい」というメンバーの気持ちに火がついたんだと思います。レクチャーではなくて「こうやるんですよ」という見本を見せていただいたからこそですね。

メンバーがそれぞれの場所で活躍しています

あのときのプロジェクトメンバーのみなさんは、その後どんな活躍をされていますか?

久野様
ちょうどこれから発売になる新商品があるのですが、これは、あの時のプロジェクトがあったからこそできたと言えると思います。
開発者に「ポリフェノールが高いワイン飲料を、団塊世代をターゲットに出したい」という思いがあり、このターゲットにどうやって届けるかということを、あのとき学んだ手法で考えてみました。調査をすることはもちろんですが、「これをやりたい」という思いを持つことが大事だと学びましたから。
これまでのやり方も踏襲しつつ、新しい手法も取り入れています。
ワインへの関心度合いという点では、ワイン戦略部の新製品も自分事として捉えているようです。社内の試飲会に必ず出てくれるメンバーもいますし。
松島様
ほかにも、社内での人脈が広がり、「そういうことなら彼に聞いてみよう」という横のつながりも活きているようです。
営業からマーケティングに異動したメンバーには、あのプロジェクトで身につけたことが特に役に立っているみたいですね。
久野様
製造現場では、あのプロジェクトに参加したメンバーがひっぱりだこです。「誰に頼むより、彼のブレンドは美味しい」っていう評判がたっているほど(笑)あの緊張感の中で試行錯誤してきたからこそだと思います。
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